「海洋ゴミをゼロに!」愛知県立武豊高等学校の学生たちが「マリンチャレンジプログラム」に出場

海・水産分野・水環境に関わるあらゆる研究をする中高生を応援する「マリンチャレンジプログラム」。今回は、東海地区大会に出場した9チームのうち、愛知県立武豊高等学校の学生たちに密着した。

部活で湿地の研究を続けるうち、海洋ゴミに興味を持つように

愛知県立武豊高等学校に通う柴田涼平君は、自然科学部に所属する3年生。藤前干潟についての記事を見たことがきっかけで、普段は地元・武豊にある湿地の調査や生態系の研究をしている。今回、顧問の若山先生を通じてこのプロジェクトを知り、日頃から気になっていた「海洋プラスチックゴミ」についての研究をすることに。

柴田君が中心となり部員2名の協力を得て、常滑、篠島、衣浦の海岸に漂着するペットボトルゴミを調査。「知多地域におけるペットボトルの漂着状態について」と題し、約3か月をかけて、降水量とペットボトルの関係、風向きの影響も調べたという。「もしそこに関係性があれば、効果的に砂浜の清掃をするタイミングを知ることにつながると思う」と話す柴田君。

特に、紫外線や波の影響で5mm以下にまで劣化した「マイクロプラスチック」は近年、海洋汚染問題としても取り沙汰されている。「海の生き物がマイクロプラスチックを食べてしまうと、とても危険。僕たちが調査した海にもマイクロプラスチックがたくさん漂着していた。この問題を全国の人に知ってもらえたら」と意気込んだ。

見事全国大会へ!コツコツ地道な調査が評価を得る

発表の場を迎えた8月9日(金)。東海地区大会である鳥羽水族館に、緊張した面持ちの柴田君がいた。若山先生は、「直前まで資料を見直したり、質疑応答のロールプレイをしたりと、最後の詰めを欠かさなかった。あとは緊張せずに発表できれば」と見守る。他校の発表を真剣な表情で聞いていた柴田君だったが、自身の発表になれば笑顔も見られ、ゆっくりとわかりやすく進めていくことができた。

審査員らも、柴田君たちの地道な研究方法に感心の様子。質疑応答の時間では、「もっとこうしたら調査しやすいのでは」「今度はこういう条件でも調べてみるといい」などのアドバイスも。また柴田君からの「ペットボトルなどプラスチックのゴミは、きちんと分別して捨ててほしい。身近な愛知の海にも、こんなにひどい現状があるということを知ってほしい」というメッセージも、審査員の心に届いたようだ。

全9校の報告が終わり、審査の結果、愛知県立武豊高等学校を含む4校が全国大会へと出場!愛知県立武豊高等学校の選出理由について「他校に比べ、地道な研究がとても印象に残った。コツコツやっていく研究がこれからの海洋学でも必要になると思う。柴田君の言うように、マイクロプラスチック問題はこれから全国で取り組んでいかなくてはならない問題だ」と話した。
「地道にやってきてよかった。より多くの人と一緒に、この問題について考えていきたい」と柴田君。次は全国を舞台に、素晴らしい発表が聞けることだろう。

写真左・板谷虎流君、中・柴田涼平君、右・竹味龍之介君